第28回小児整形外科学会学術集会

会期
2017年12月7日(木)~8日(金)
会場
京王プラザホテル
会長
高山 真一郎(国立研究開発法人国立成育医療研究センター臓器・運動器病態外科部部長)
テーマ
知と技の結集-こどもの未来をともに支える-

会長挨拶

第28回日本小児整形外科学会開催に際して

高山 真一郎氏

会長 高山 真一郎
国立成育医療研究センター 臓器・運動器病態外科 部長

第28回日本小児整形外科学会学術集会を担当いたします、国立成育医療研究センターの高山真一郎です。国立小児病院及び成育医療研究センターの本学術集会開催は、村上宝久先生、坂巻豊教先生についで3回目となります。成育医療研究センターは、平成14年に国立大蔵病院と国立小児病院が合併する形で発足しました。成育医療とは、“人が胎児に始まって、新生児、乳児、幼児、学童、思春期、成人に成長・発達し、次の世代をはぐくむ過程を、総合的かつ継続的に診る医療”と定義されていますが、10年以上経過した今日でもその概念の認知度は十分とは言えません。
 
整形外科は、脊椎・肩・肘・手・股・膝・足という部位別、腫瘍・骨折・感染症・リウマチ・スポーツ障害などの疾患や領域別、人工関節・創外固定・マイクロ・最小侵襲・内視鏡などの手技面からと、様々な専門領域の学会・研究会が存在しますが、”小児整形“に対して成人整形とか高齢者整形という括りはなく、小児整形は他の整形外科subspeciality領域と同列ではないと考えています。Orthopaedic という言葉の起源は“こどもの脚を真っ直ぐにする”という意味で、小児整形外科は整形外科学のoriginともいえる領域ですが、現在“典型的小児整形疾患”の比重は縮小傾向にあります。しかしながら、悪性骨軟部腫瘍の患者さんの約半数は未成年ですし、脊椎領域でも治療を必要とする側弯症のほとんどは小児です。上肢でも先天異常だけでなく、肘の骨折や発育期のスポーツ障害などの患者さんは多く、整形外科のすべての分野において小児領域は重要な位置を占めています。
 
小児整形外科の発展には、整形外科の様々なsubspeciality領域との協力、他科との連携を要する運動器検診や救急医療、異なる領域の治療手段や基礎医学研究成果の応用、さらに工学や行政の力添えも重要です。本学会は限られた専門家集団のためだけでなく、整形外科全分野の小児領域に目を向けていくことが不可欠と考えています。そこで本学術集会のメインテーマを“–知と技の結集–子供の未来をともに支える Integration of knowledge and skills for children's future”とし、小児の運動器の諸問題に広く目を向けることを目指しました。
 
高齢者疾患と違い、小児では治療の善し悪しが患者の未来に大きな影響を与えるため、治療側の責任は重い一方その魅力・醍醐味も大きなものがあります。小児整形外科には、解決方法が得られていない興味深い病態・疾患が多く存在していますが、触れるチャンスがないと若い整形外科医にとっては興味が湧きません。小児整形外科疾患は専門性の高い医療機関への過剰集中の傾向が強く、大学病院等規模の大きい施設でも経験するチャンスは限られ、その機会をいかに増やすかもわれわれの重要な役割です。新専門医制度の研修でも形式は整えたもののその中身の充実はこれからで、学術集会を通じ小児整形外科の魅力を伝えていきたいと思います。

学術集会の企画・運営については、成育医療研究センター整形外科関敦仁医長以下のスタッフが奮闘していますが、私の出身母体である慶應義塾大学整形外科学教室(松本守雄教授・中村雅也教授・金治有彦講師・渡辺航太講師)及び都立小児総合医療センター(下村哲史医長)の3機関の力を“結集”して進めております。

企画については、平成29年6月1日現在未定部分がありますが、例年通り口演3会場とポスター発表を考えています。特別講演・招待講演では、国立成育医療研究センター 五十嵐隆理事長、同研究所 分子内分泌研究部 深見真紀部長、Washington大学 (St. Louis) Charles A. Goldfarb先生(Title:Treatment of Upper Extremity Arthrogryposis)、Necker 小児病院 (France) Néjib Khouri 先生(Title:Treatment of Slipped Capital Femoral Epiphysis Epiphysis using the Dunn Procedure: Technical details, complications and results.)、 Alfred I. duPont 小児病院 Suken Shah先生(Title: AIS Transition to Adulthood...What the Adult Practitioner Needs to Know.)をお呼びする予定で、スポンサードセミナーも6演題計画しています。

2日間という限られた日程で、すべての問題を議論することは困難ですが、実りある学術集会を目指して努力して参りますので、多くの先生方の参加・出題をお待ち申し上げます。